「うちはまだ関係ない」と思っていませんか?
実は、日本では毎年およそ10万人が「介護」を理由に仕事を辞めています。
この数字は決して他人事ではありません。
介護は突然始まります。
親や配偶者の体調変化、病気、入院。
ある日を境に、社員の生活が一変する――それが「介護の現実」です。
そして介護の担い手となるのは、多くが40代〜50代の働き盛り世代。
企業にとっても、チームの中核を担う人材を失うことは大きな痛手です。
それでも現実には、「介護と仕事の両立が難しい」と感じた社員が、
悩み抜いた末に“退職”という選択をしてしまうケースが後を絶ちません。
ではどのように対策を取っていったら良いでしょうか?
介護離職の原因から考えていきましょう。
目次
なぜ介護離職は起きるのか
介護離職が起きる最大の理由は、「制度を知らない」「相談できない」職場環境にあります。
多くの社員は、介護が始まるまで「介護休業」や「介護休暇」の制度を詳しく知りません。
また、上司や人事もその仕組みを理解していないことが多く、
結果として“頼る場所がない”状況が生まれます。
- 「親の介護で一時的に休みたい」と思っても、制度の説明がない
- 「介護休業を取ると昇進に響くのでは」と不安になる
- 「チームに迷惑をかけたくない」と抱え込む
このような心理的なハードルが、最終的に「離職」という形で現れるのです。
国が企業に求めている「義務」
この問題を背景に、国も動き始めています。
2025年4月に改正された「育児・介護休業法」では、企業に対して以下の対応が義務づけられました。
- 社員から介護の相談があった場合、制度内容を説明すること
- 両立支援制度の周知・啓発を行うこと
- 相談体制を整えること
さらに厚生労働省は、これらを実現するために
「社内研修」や「情報提供」を積極的に実施するよう推奨しています。
つまり、企業にとって「研修を行うこと」自体が、
コンプライアンス対応の一部なのです。
介護離職防止は「企業経営」にもプラス
「介護離職を防ぐ」というと、“社員のための施策”のように聞こえるかもしれません。
しかし実は、経営的にも大きなメリットがあります。
- 熟練社員の離職を防ぐことで人材コスト削減
- 「社員を大切にする会社」として企業イメージ向上
- 社員の安心感が高まりモチベーション・定着率が向上
特に中小企業では、1人の離職が業務全体に大きな影響を与えます。
だからこそ、介護離職防止は経営リスクの軽減策であり、
生産性向上のための投資でもあるのです。
TJケアコンサルタントの取り組み
TJケアコンサルタントは、介護業界で20年以上の経験を持つ専門家として、
企業の人事・総務担当者と協働しながら「介護離職を生まない職場づくり」をサポートしています。
主な取り組み内容
- 育児・介護休業法に基づく実践的な社内研修の実施
- 管理職向け「介護との両立支援」研修
- 社員への個別相談・介護準備チェックシート提供
- 両立支援に関する社内体制構築のアドバイス
単なる制度説明にとどまらず、
「現場でどう支援するか」「どんな声かけをするか」まで、
実際の介護現場で培った視点で具体的に提案します。
介護現場の声を、企業へ
私はこれまで20年以上、介護の現場で
ご家族・利用者・職員、さまざまな立場の人と向き合ってきました。
その中で、介護によって人生が変わってしまった人、
仕事を諦めた人を数多く見てきました。
けれども、その多くは「仕方がない」では済まされないことばかりです。
ほんの少し職場に理解があり、制度の使い方がわかっていれば――
その人は仕事を続けられたはずなのです。
なので、介護と仕事の両立を支える環境づくりは、
社員のためだけでなく、企業の未来を守る取り組みです。
だからこそ、TJケアコンサルタントは
企業と社員、そして家族をつなぐ「架け橋」でありたいと思っています。
今すぐできる3つのチェック
- 社員が介護について気軽に相談できる窓口はありますか?
- 管理職が「介護支援制度」を理解し説明できる状態ですか?
- 社内で「介護に関する研修」や「啓発活動」を定期的に実施していますか?
もしどれかが「NO」なら、それは介護離職が起こるリスクサインです。
まずは、TJケアコンサルタントにご連絡下さい。
おわりに
介護離職は、決して特別な人の話ではありません。
誰にでも、どんな企業にも起こり得る現実です。
だからこそ、今のうちから備えることが大切。
TJケアコンサルタントは、企業と社員が
安心して働き続けられる環境をつくるお手伝いをしています。
📩 次回予告
次回は「育児・介護休業法の改正ポイントと企業が取るべき対応」について、
実際の企業事例を交えながら解説します。
TJケアコンサルタント
介護業界20年以上の実績と経験を活かし、
介護離職防止コンサルタント/介護運営コンサルタント/介護研修講師として活動中
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