水分を1500cc以上?!そんなに飲めないな~!なぜそんなに飲む必要があるんじゃ?
う~ん、確かに!
水分を取ることはとても大切・・・とはわかっているが、1500cc以上の水分って結構な量だし、「なぜ必要か?」って言われると、漠然としてはっきりとした理由が分かりませんよね?
でも、今日この記事を読むと、人間の体における水分の大切さを理解して、「介護予防・健康寿命」のために今日から1日1500cc以上の水分を飲みたくなると思います。
なのでここでは・・・
- なぜ水分摂取が私たちの体に大切なのか?
- 1日1500cc以上の水分摂取をしないと私たちはどうなるか?
- まとめ:1日1500cc以上の水分摂取は「介護予防・健康寿命」の”超”基本!
・・・という流れで説明します。
目次
水分はなぜ私たちの体に大切なのか?
私たちの体は成人で60%、高齢者でも50%が水分で出来ています。
そして、体から排泄や汗などを通して、毎日2300cc以上の水分が出ていくとされています。
食事と体の中で作られる水分で800cc、残り1500cc以上は「飲水」という形で水分摂取をしないとINとOUTのバランスが崩れてきます。
その一方、1日平均1500cc以上水分摂取している人はわずか25%と言われていて、高齢者に限っては1日の平均水分摂取量が500~600ccとも言われています。
つまり、多くの高齢者は毎日約1000cc以上の水分が不足しているのです。
だから、干上がった土地のようになってしまいます・・・・こんな感じ・・・?
これじゃ、元気になりようがないですよね?
1日1500cc以上の水分摂取をしないと、私たちの体はどうなるか?
水分の減少量によって、体の変化に違いが出てきます。体重50㎏の高齢者を想定して説明していきます。
体内水分量1~2%減少で、”意識障害”の発生「ボーとしている・・・」
体重の1~2%というと約250~500㏄の水分量になります。
つまりペットボトル500cc1本分の水分量が体内からなくなると、私たちは意識障害が発生してきます。
「うちのジーちゃんはいつもボーとしてる」「ばーちゃんは意識あるのかしら?」と思える高齢者が多いですが、多くの場合は水分不足から来ていることが考えられます。
なので、水筒やペットボトルを常時持参するようにして、「のどが渇く」前に水分を飲む習慣を付けましょう!
体内水分量2~3%減少で、”発熱・血液濃縮”「循環機能に影響が出る」
体重の2~3%というと約500~750㏄の水分量になります。
ざっくり1リットル弱の水分量が体内からなくなると、血液の濃縮により循環機能が低下して、熱を体外に捨てることが出来ず、結果として発熱して脱水状態になります。
健康成人の場合、平熱は36.5℃と言われていますが、高齢者の平熱はそれよりも低いです。
だから、体温が36.6℃~以上であれば微熱と考えて、既に「脱水状態」にあると考えて至急水分補給をするようにしましょう。
体内水分量5%減少で、”運動機能の低下”「ふらつき・疲れやすくなる」
体重の5%というと約1250㏄の水分量になります。
ざっくり1.5リットル弱の水分量が体内からなくなると、運動機能・持続力の低下がみられ、ふらふら歩いたり、ちょっとした距離でも歩くということができなくなります。
具体的には「手足に力が入らない」ことが多く、特に歩行時の転倒リスクが上がります。
そうです。水分不足は転倒リスクが上がり、骨折してそのまま入院・・・なんてこともあります。
また、持久力の低下によって「息切れ」「動悸」などが見られ、「歩行の習慣がなくなる→外出しなくなる→家に閉じこもる→さらに持久力が下がる→介護状態になっていく」と負のスパイダルに入ります。
とにかく、水分摂取の習慣を取り戻して、持久力を回復させる必要があります。
体内水分量7%減少で、”幻覚”・”認知症状”が出現
体重の7%というと1750㏄の水分量が体内からなくなると、幻覚や幻聴が起こります。
ざっくり2リットル弱の水分量が体内からなくなると、水分を必要とする脳細胞に異常が生じて、見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたりするようになります。
もちろん、統合失調症などの精神病やレビー小体型認知症などの方も、幻覚や幻聴の症状が現れることがありますが、単に水分不足から発生することもあるということは知っておく必要があります。
「うちのじいちゃん、変なことを言うようになった」「ばーちゃん、何にも見えてないのに見えるって言う」ということが起きているなら、まずは水分摂取を促しを試してみて下さい。
体内水分量10%減少で、”死亡” 「冗談じゃないですよ!!」
これは冗談ではありません・・・・。
本当です。
体重の10%というと2500㏄の水分量になります。
ざっくり1.5リットルのペットボトル2本分の水分量が体内からなくなると、意識障害が起きてそこから傾眠状態に陥り、昏睡状態となって最後は亡くなってしまいます。
良くあるのが夏の熱中症で亡くなるパターンです。
水分欠乏で意識障害が起きると人に助けを求めることもできず、そのままなくなることが多々あります。
昔の方も「眠るがごとく息を引き取る」形で亡くなることが多かったそうですが、これも「脱水」でなくなるのです。
体内の水分の1割がなくなっただけで、私たちの生命は危険に侵されるということを理解していきましょう。
まとめ:1日1500ccの水分摂取は「介護予防・健康寿命」の”超”基本!
如何だったでしょうか?
1日1500cc以上の水分摂取が「介護予防・健康寿命」の超基本であることを理解していただけたかと思います。
世の中には「介護予防・健康寿命」のためのサービスや商品も多く出回っているかとは思いますが、まずは自分の1日の水分量を気にして見て下さい。
ペットボトルでも良し。水筒を買うのでも良し。
どんな形でも良いので水分量を可視化して、毎日1500cc以上の水分摂取を心がけていきましょう。
1日1500cc以上の水分摂取が「介護予防・健康寿命」の入り口で、そこから長い人生を楽しむことが出来るようになります。
今日も最高な1日を!!
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参考文献
- 「介護の生理学」竹内孝仁先生
- 「新版・介護基礎学」竹内孝仁先生
- https://jsfrc-powerreha.jp/care-for-independent-living/