介護離職防止|企業ができる5つの具体的対策【2025年法改正対応】

介護離職防止

「親の介護で辞めます」という言葉を、職場で聞いたことはありませんか?
介護離職は今や、企業にとっても無視できない経営課題です。
20年以上の介護現場経験を持つTJが、企業がすぐに取り組める5つの対策をわかりやすくお伝えします。

目次

はじめに:「親の介護で辞めます」は、もう他人事ではない

ある日突然、「母の介護が必要になって…仕事を続けるのが難しくなりました」という言葉を聞いたことはありませんか?

2022年の調査では、介護・看護を理由に離職した人は約10万6,000人。その約8割が女性で、最も多い年代は50代。つまり企業にとっては、経験を積んだ大切な中堅・ベテラン社員が突然いなくなるリスクがあるということです。

離職した本人も決して楽ではありません。収入は平均40〜50%減少し、精神・身体的な負担が増えたと感じる人は5割超。再就職できたのは、わずか約4割にとどまっています。

「介護離職は本人の問題だ」と思っていたら、大きな間違いです。
これは企業と社会全体で取り組むべき課題です。

① まず「介護のこと、相談していいよ」と伝えよう

多くの社員は、「介護のことを職場に話したら、評価が下がるかもしれない…」と不安を感じています。だからこそ、会社側から積極的に声をかけることが大切です。

「もし介護が始まったら、早めに相談してください」という一言が、離職を防ぐきっかけになることがあります。

📋 2025年4月施行の改正育児・介護休業法では、企業が従業員に対して介護支援制度を”個別に周知・意向確認すること”が義務化されました。
制度があるだけでは意味がありません。「個別に、直接、具体的に」伝える仕組みをつくりましょう。

② 「柔軟な働き方」で、仕事と介護を両立できる環境をつくろう

介護で離職する方の多くは、「仕事が嫌いなのでは」ありません。「通院の付き添いに行けない」「突発的な対応ができない」という時間の制約が原因です。

テレワーク・時短勤務・時差出勤などの「介護しながら働ける環境」を整えることで、離職を大幅に減らすことができます。

📋 改正法では、介護が必要な従業員へのテレワーク導入が努力義務化されました。
通勤に1時間以上かかる社員には、テレワークだけで状況が劇的に改善するケースもあります。

③ 「休暇・休業制度」を取りやすい文化にしよう

法律上、介護休業(最大93日間)や介護休暇(年5日)はすでに整備されています。ところが現実には、「申請しづらい雰囲気」や「取得実績がゼロ」の職場も少なくありません。

「誰かが取得した実績がある」という事実だけで、社員の安心感は大きく変わります。

制度はあっても使われなければ意味がありません。「使っていいんだ」と社員が感じられる雰囲気と文化をつくることが、企業の大切な役割です。

④ 社内に「相談できる場所と情報」を用意しよう

「介護のことを相談したいけれど、どこに言えばいいかわからない」という状態が、離職を加速させます。

企業が準備したいこと:

  • ✅ 人事・上司ラインへの相談窓口の設置
  • ✅ 地域包括支援センターや介護保険サービスの情報提供
  • ✅ EAP(従業員支援プログラム)の導入検討
📋 改正法では、研修実施・相談窓口設置・制度周知などの雇用環境整備が義務付けられました。
「介護の知識がゼロ」の管理職向けに、1〜2時間の基礎研修を実施するだけでも、現場の対応力は格段に変わります。

⑤ 「管理職研修」で、介護を理解するリーダーを育てよう

介護離職の背景には、管理職の無理解が隠れていることがあります。「急に休むな」「仕事と介護を分けろ」というプレッシャーが、じわじわと社員を追い詰めてしまうのです。

管理職が介護の基本的な知識と関わり方を知るだけで、職場の雰囲気は大きく変わります。

研修でカバーしたい内容:

  • 介護保険の基本と手続きの流れ
  • 介護中の社員への声かけ・関わり方
  • 「相談してもいい職場」をつくるコミュニケーション術

まとめ:介護離職を防ぐのは、制度よりも「文化」

取り組み 期待できる効果
① 声かけ・個別周知 潜在的な離職希望者を早期に発見できる
② 柔軟な働き方 時間の制約による離職を防ぐ
③ 休暇・休業が取れる文化 心理的なハードルが下がる
④ 相談窓口・情報提供 早期対応・専門機関への橋渡し
⑤ 管理職研修 現場レベルの理解と対応力が上がる

介護離職は「本人の事情」ではなく、「企業と社会が一緒に考えるべきテーマ」です。

〜人が成長し、支え合い、希望を循環させる社会へ〜

その実現のために、企業の中に”介護を知っているリーダー”を一人でも増やすことから始めてみませんか?

💬 私からみなさんへ

私自身、介護現場に20年以上立ち続けてきたからこそ伝えられることがあります。企業の人事担当者・管理職の方向けに、「現場目線の介護研修」をご提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

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