「親の介護で辞めます」という言葉を、職場で聞いたことはありませんか?
介護離職は今や、企業にとっても無視できない経営課題です。
20年以上の介護現場経験を持つTJが、企業がすぐに取り組める5つの対策をわかりやすくお伝えします。
目次
はじめに:「親の介護で辞めます」は、もう他人事ではない

ある日突然、「母の介護が必要になって…仕事を続けるのが難しくなりました」という言葉を聞いたことはありませんか?
2022年の調査では、介護・看護を理由に離職した人は約10万6,000人。その約8割が女性で、最も多い年代は50代。つまり企業にとっては、経験を積んだ大切な中堅・ベテラン社員が突然いなくなるリスクがあるということです。
離職した本人も決して楽ではありません。収入は平均40〜50%減少し、精神・身体的な負担が増えたと感じる人は5割超。再就職できたのは、わずか約4割にとどまっています。
「介護離職は本人の問題だ」と思っていたら、大きな間違いです。
これは企業と社会全体で取り組むべき課題です。
① まず「介護のこと、相談していいよ」と伝えよう

多くの社員は、「介護のことを職場に話したら、評価が下がるかもしれない…」と不安を感じています。だからこそ、会社側から積極的に声をかけることが大切です。
「もし介護が始まったら、早めに相談してください」という一言が、離職を防ぐきっかけになることがあります。
制度があるだけでは意味がありません。「個別に、直接、具体的に」伝える仕組みをつくりましょう。
② 「柔軟な働き方」で、仕事と介護を両立できる環境をつくろう

介護で離職する方の多くは、「仕事が嫌いなのでは」ありません。「通院の付き添いに行けない」「突発的な対応ができない」という時間の制約が原因です。
テレワーク・時短勤務・時差出勤などの「介護しながら働ける環境」を整えることで、離職を大幅に減らすことができます。
通勤に1時間以上かかる社員には、テレワークだけで状況が劇的に改善するケースもあります。
③ 「休暇・休業制度」を取りやすい文化にしよう

法律上、介護休業(最大93日間)や介護休暇(年5日)はすでに整備されています。ところが現実には、「申請しづらい雰囲気」や「取得実績がゼロ」の職場も少なくありません。
「誰かが取得した実績がある」という事実だけで、社員の安心感は大きく変わります。
制度はあっても使われなければ意味がありません。「使っていいんだ」と社員が感じられる雰囲気と文化をつくることが、企業の大切な役割です。
④ 社内に「相談できる場所と情報」を用意しよう

「介護のことを相談したいけれど、どこに言えばいいかわからない」という状態が、離職を加速させます。
企業が準備したいこと:
- ✅ 人事・上司ラインへの相談窓口の設置
- ✅ 地域包括支援センターや介護保険サービスの情報提供
- ✅ EAP(従業員支援プログラム)の導入検討
「介護の知識がゼロ」の管理職向けに、1〜2時間の基礎研修を実施するだけでも、現場の対応力は格段に変わります。
⑤ 「管理職研修」で、介護を理解するリーダーを育てよう

介護離職の背景には、管理職の無理解が隠れていることがあります。「急に休むな」「仕事と介護を分けろ」というプレッシャーが、じわじわと社員を追い詰めてしまうのです。
管理職が介護の基本的な知識と関わり方を知るだけで、職場の雰囲気は大きく変わります。
研修でカバーしたい内容:
- 介護保険の基本と手続きの流れ
- 介護中の社員への声かけ・関わり方
- 「相談してもいい職場」をつくるコミュニケーション術
まとめ:介護離職を防ぐのは、制度よりも「文化」
| 取り組み | 期待できる効果 |
|---|---|
| ① 声かけ・個別周知 | 潜在的な離職希望者を早期に発見できる |
| ② 柔軟な働き方 | 時間の制約による離職を防ぐ |
| ③ 休暇・休業が取れる文化 | 心理的なハードルが下がる |
| ④ 相談窓口・情報提供 | 早期対応・専門機関への橋渡し |
| ⑤ 管理職研修 | 現場レベルの理解と対応力が上がる |
介護離職は「本人の事情」ではなく、「企業と社会が一緒に考えるべきテーマ」です。

〜人が成長し、支え合い、希望を循環させる社会へ〜
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