介護現場で避けて通れないのが「問題職員との面談」です。
- 注意しても改善しない
- 言うと反発される
- 話が噛み合わない
こうした状況の中で、多くの管理者が感じるのは
「面談しても結局変わらない」という無力感です。
しかし、ここははっきりさせておく必要があります。
面談が機能しない原因は、相手ではなく“面談の設計”にあります。
目次
面談が失敗する典型パターン
まず、よくある失敗を整理します。
①いきなり注意から入る
「最近ちょっと態度がよくないよね」
これは一見普通ですが、相手は一瞬で防御モードに入ります。
結果として、言い訳・反発・沈黙のどれかになります。
②感情が混ざる
「みんな困ってるんだよ」
この時点で、話の軸が“事実”から“感情”にズレます。
相手は「誰が言ってるんですか?」という反応になります。
③結論が曖昧
「とりあえず気をつけて」
これでは何も変わりません。
なぜなら「何を」「どのレベルで」改善すればいいのかが不明だからです。
準備なしの面談は、ほぼ確実に失敗します。
面談の本質は「評価」ではなく「すり合わせ」
ここを間違えると、すべてがズレます。
面談の目的は3つだけです。
- 事実の共有
- 認識のズレの確認
- 改善の合意
この3つ以外はやらなくていいです。
評価を下す場でも、説教する場でもありません。
あくまで「共通認識を作る場」です。
正しい面談の5ステップ
ここからが実務です。
この順番で進めれば、感情論にはなりません。
STEP①:前提を伝える(空気を整える)
いきなり本題に入らないことが重要です。
「今日は責めるためではなく、現状の確認と今後のための面談です」
この一言で、相手の警戒はかなり下がります。
逆にこれを言わないと、最初から対立構造になります。
STEP②:事実だけを出す
ここで絶対にやってはいけないのは「評価」です。
NG:
「態度が悪い」
OK:
「挨拶がない場面が複数ありました」
「指示に対して返答がないことがありました」
“事実のみ”を並べることがポイントです。
STEP③:本人の認識を聞く
ここを飛ばすと、ほぼ失敗します。
「この点についてどう思っていますか?」
この時のポイントは3つです。
- 否定しない
- 遮らない
- 正そうとしない
まず“全部出させる”。
ここで管理者が話しすぎると、ただの説教になります。
STEP④:ズレをすり合わせる
ここで初めて、管理者の視点を伝えます。
「認識に違いがあるのは分かりました。そのうえで、現場としてはこう見えています」
重要なのは、対立ではなく「違いの整理」にすることです。
STEP⑤:行動と期限を決める
ここが最も重要です。
「今後はこの3点をお願いします」
- 挨拶をする
- 指示には返答する
- 困ったら相談する
さらに、
「1週間後に確認します」
期限までセットで初めて“指導”になります。
面談で絶対にやってはいけないこと
ここは強く言います。
①人格否定
「向いてないんじゃない?」
→ 関係終了
②周囲を盾にする
「みんな困ってる」
→ 信頼崩壊
③曖昧に終わる
「気をつけてね」
→ 何も変わらない
面談がうまくいく管理者の特徴
実は、特別なスキルは必要ありません。
- 感情を持ち込まない
- 事実で話す
- 必ず期限を切る
強い人ではなく、“淡々とできる人”がうまくいきます。
それでも改善しない場合
ここも非常に重要です。
面談はお願いの場ではありません。
判断の材料を作る場です。
- 指導した
- 機会を与えた
- 期限を区切った
この3つが揃って初めて、
配置変更や退職判断に進めます。
管理者の本音に対して
正直、面談はしんどいです。
- 嫌われたくない
- 避けたい
- 波風立てたくない
これはすべて自然な感情です。
ただ、ひとつだけ事実があります。
避けると必ず悪化します。
まとめ
問題職員との面談で大切なのは、この5つだけです。
- 事実を出す
- 話を聞く
- ズレを整理する
- 行動を決める
- 期限を切る
この順番を守れば、感情論にはなりません。
面談はセンスではなく、技術です。


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