介護離職は社内制度では防ぎきれません。
人事・総務が「地域包括支援センターにつなぐ初動」を理解しているかどうかで結果が決まります。
「社員から親の介護の相談があった」
このとき、あなたの会社はどう対応していますか?
・介護休業制度の説明をする
・有給や時短勤務の案内をする
もちろん間違いではありません。
ただし、現場で見てきた結論をお伝えすると、
それだけではほぼ防げません。
なぜなら、介護離職の本質は
「仕事と介護が両立できない状態」ではなく
「介護を抱え込んでしまう構造」だからです。
この構造を変えるために必要なのが、
地域包括支援センター→要介護認定→サービス利用という流れです。
今回は、人事・総務担当者が最低限押さえるべき
介護離職を防ぐための実務フローを整理します。
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なぜ介護離職は起きるのか
現場で見てきた中で、離職に至るパターンはほぼ共通しています。
① 親の異変に気づく
② 自分で何とかしようとする
③ 仕事との両立が崩れる
④ 会社への相談が遅れる
⑤ 退職を検討する
つまり問題はシンプルです。
「最初の一手」を間違えている
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人事が知るべき外部リソース「地域包括支援センター」
地域包括支援センターは、介護の総合相談窓口です。
ただし重要なのは、単なる相談窓口ではなく、
介護を「仕組みで回すための起点」
であることです。
ここにつながることで、
・状況整理
・制度活用
・認定申請
・ケアマネ連携
まで一気に進みます。
逆にここにつながらないと、
・通院対応
・生活支援
・見守り
・緊急対応
すべて家族(社員)が抱えることになります。
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【実務】要介護認定までの流れ
① 地域包括支援センターに相談
最初にやるべきは申請ではなく相談です。
ここで整理するのは、
・何に困っているか
・どこまで家族が対応しているか
・どこが限界になるか
人事の一言で変わる
「まず地域包括支援センターに相談してください」
これを言えるかどうかが分岐点です。
※遠距離の場合は「親の住んでいる地域」が窓口です
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② 要介護認定の申請(代行可)
申請は市区町村ですが、実務的には
包括やケアマネが関与します。
ここで重要なのは、
社員に全部やらせないこと
仕事+手続き+介護を同時に抱えれば、離職に近づきます。
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③ 認定調査・主治医意見書
ここは実務上の落とし穴です。
よくあるのは、
・本人が「大丈夫」と言う
・家族が遠慮する
結果、
軽い判定 → サービス不足 → 家族負担増
となります。
人事としては、
「困っていることは正確に伝えてください」
と一言添えるだけで十分です。
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④ 審査・判定(約30日)
ここで要支援・要介護が決まります。
ただし重要なのは結果ではなく、
「サービスを使える状態になった」こと
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⑤ ケアプラン作成・サービス開始
ここからが本番です。
デイサービス、訪問介護、ショートステイなどを組み合わせて、生活を回していきます。
ここで最も重要なのは、
社員の働き方をケアマネに伝えること
・帰宅時間
・出張
・残業
・シフト
これを伝えないと、現実に合わないプランになります。
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介護離職を防ぐ本質
ここが一番重要です。
介護は「するもの」ではなく「回すもの」
この認識がないと、社員は
「自分がやらなければ」
となり、結果的に離職に近づきます。
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人事・総務が明日からやるべきこと
難しいことは必要ありません。
① 初動を統一する
「介護相談 → 包括につなぐ」
② 社内で共有する
管理職も同じ対応ができるようにする
③ 導線を見える化する
制度+地域資源をセットで案内する
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まとめ
介護離職は、個人の問題ではありません。
構造の問題です。
そしてその構造は、
初動でほぼ決まります。
制度を整えるだけでは不十分です。
辞める前に相談できる導線を作ること
これが、人事・総務の本当の役割です。
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TJケアコンサルタントからのご案内
介護離職防止は「制度」ではなく「運用」で決まります。
・人事がどこまで対応すべきか分からない
・管理職の初動がバラバラ
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