デイサービスの稼働率を上げる5つの打ち手|管理者がまず見直すべき順番

管理者向け

「稼働率が上がらない」と聞くと、多くの管理者はまず新規利用者の獲得を考えます。しかし、デイサービスの稼働率は新規だけで決まるわけではありません。デイサービスの管理者として現場を回してきた経験から言えば、効果が出やすいのは別のところにあります。本記事では、稼働率を上げる5つの打ち手を「効きやすい順番」で解説します。

稼働率が上がらない事業所が「最初に」間違えること

稼働率が伸び悩む事業所ほど、いきなり「営業を強化して新規を取ろう」と動きがちです。もちろん新規獲得は大事ですが、新規利用者の契約には時間がかかり、コントロールも効きません。

一方で、すでに利用している人・すでに空いている枠に目を向けると、すぐ手を打てる改善点がいくつも見つかります。稼働率は「平均利用者数 ÷ 定員」で決まります。分子を増やす方法は新規だけではなく、「今いる利用者の利用日数」「当日キャンセルの抑制」でも増やせるのです。

打ち手は、コントロールしやすく即効性の高いものから着手するのが鉄則です。

打ち手①:稼働率を「曜日別・時間帯別」で見える化する

まずやるべきは現状把握です。月平均の稼働率だけを見ていると、本当の問題が隠れます。

  • 月曜は満員だが、水曜・金曜が空いている
  • 午前は埋まるが、午後の枠が弱い

——こうした曜日別・時間帯別のムラは、平均値では見えません。空いている枠を1マスずつ特定するだけで、「どこを埋めればいいか」が具体的になります。ホワイトボードでも表計算でも構いません。まず空き枠を「見える化」することが、すべての打ち手の出発点です。

打ち手②:当日キャンセルを減らす — 一番見落とされる稼働の穴

意外と軽視されがちなのが、当日キャンセルです。せっかく予約が埋まっていても、当日に休まれれば稼働率は下がり、その枠は埋め直せません。新規を1人増やすより、キャンセルを減らす方が早いことも多いのです。

キャンセルには理由があります。体調不良は仕方ありませんが、「なんとなく気が乗らない」「家族が在宅だから」といった防げるキャンセルも一定数あります。

キャンセルの種類 主な原因 打てる手
体調起因 発熱・通院 代替日の提案、回復後の早期復帰フォロー
気分起因 気が乗らない・億劫 前日・当日朝の声かけ、楽しみな予定づくり
家庭都合 家族の在宅・送迎不可 送迎時間の調整、家族への利用意義の共有

前日や当日朝の一本の電話、送迎時のひと声で防げるキャンセルは確実にあります。

打ち手③:既存利用者の利用日数を増やす

新規契約よりはるかに着手しやすいのが、今いる利用者の利用日数を増やすことです。週2回の方が週3回になれば、それだけで稼働は積み上がります。

ポイントは、ケアプランの見直しタイミングを逃さないことです。利用者の状態が変われば、必要なサービス量も変わります。「最近、自宅で過ごす時間が長くて活気がない」「家族の介護負担が増えている」——こうしたサインを職員が拾い、ケアマネジャーに利用日数増を提案するのが管理者の役割です。あくまで利用者本位で、必要性に基づいて提案することが前提です。

打ち手④:ケアマネに「空いている枠」を具体的に届ける

ケアマネジャーは、空き枠を把握していなければ紹介のしようがありません。「いつでも空いています」では動いてもらえません。

効くのは具体性です。「水曜と金曜の午後に2席空きがあります」と、打ち手①で見える化した空き枠をそのまま伝えます。FAXでも訪問でも、定期的に空き状況を届けている事業所は、ケアマネの記憶に残ります。空きが埋まったら埋まったで「おかげさまで満員になりました」と伝える——この往復が信頼につながります。

打ち手⑤:体験利用から契約への導線を整える

新規の入口である体験利用も、受けて終わりでは契約に結びつきません。体験当日にその人が楽しめる活動を用意し、当日のうちに家族・ケアマネへ様子をフィードバックするところまでが一連の流れです。「こんな表情で過ごされていました」という具体的な報告が、契約の後押しになります。

5つの打ち手 優先順位の早見表

どれから着手すべきか迷ったら、即効性とコントロールしやすさで選びます。

打ち手 即効性 コントロール まず着手
①空き枠の見える化 自社で完結 ◎ 最初に
②当日キャンセル抑制 自社で完結
③既存利用者の利用日数増 ケアマネ連携
④ケアマネへ空き枠提供 ケアマネ連携
⑤体験→契約の導線 中〜低 新規依存 △ 並行して

まとめ:稼働率は「今あるもの」から積み上げる

デイサービスの稼働率を上げる打ち手を再確認します。

  • まず曜日別・時間帯別に空き枠を見える化する
  • 当日キャンセルを減らす(新規より早く効く)
  • 既存利用者の利用日数をケアプラン見直しで増やす
  • ケアマネに具体的な空き枠を届ける
  • 体験利用は当日のフィードバックまでやり切る

新規獲得は時間がかかります。だからこそ、コントロールしやすい①②③から着手するのが近道です。


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